創設理事長のことば



 星と花の美しい里
                                 (平成6年7月記・90歳)
 私には絵描きの他にもう一つ、郷里鹿児島で社会福祉法人「野の花会」理事長という仕事がある。この法人は介護老人福祉施設と介護老人保健施設・グループホームなどを運営していて、約200人のご入居の方と地域のお年寄りのご自宅での生活の支援をさせていただいている。介護老人福祉施設の約4000坪のエリアの初夏は、周りの樹々の緑も鮮やかに、花はまさに百花繚乱自然の恩寵を感謝と共に享受するときでもある。
 8年前、この地で荒野にゆれる小さい野の花に心ひかれ「野の花会」と名づけ、“福祉に文化を”と願い「絵と彫刻のある憩いの園」とし、私の美術館も敷地内に作った。
 ここで働いてくれる人達がお年寄りに季節を花で感じてもらおうと、庭先の花を持ちよりさし木とこぼれ種で増えつづけ、やさしい手作りの花の里が実現した。もうすぐ雨にぬれるあじさいがみずみずしく水無月を教えてくれる。
 お年寄りも四季折々移りゆく花の美しさに年を重ねる。この地は先に星空日本一になった。敷地の裏にある私の住いは、天井の一部をガラス張りにしておきながら、まだ私には星を愛でる時間が与えられないのである。

平成7年6月 記


社会福祉法人 野の花会
理事長 吉 井 淳 二(当時)
(洋画家・日本芸術院会員)
(平成元年文化勲章受章者)

前理事長・吉井淳二は、平成16年11月23日静かに100歳の生涯を閉じました。
変わりませず野の花会をご指導・ご支援のほどよろしくお願いいたします。






ご あ い さ つ


あらたまの年は多くの希望をのせて
初日と共に訪れました
今年も身も心もすこやかに年齢に
生命の輝きを重ねつつ
み心にかなう仕事をさせていただきたいと
願っております
昨年につづく今日でありながら今年こそはと
夢がふくらむのも新しい年の力です。
おだやかな早春
みなさまどうぞお大切にすごし遊ばされますよう
お祈り申し上げます
すこやかに老いて新しい年の光をいただく
お年寄りや、全ての子供のために平和があるように
人や環境やいのちがもっと尊ばれるようにと
新しい光に祈りました
これからの未知なるひと日ひと日に期待を寄せて。

平成二十五年二月
社会福祉法人 野の花会理事長 吉井敦子